椎名キーパーにインタビュー (情報誌マルキーズ2018年4月号に掲載)

アフリカゾウ家族の近況

Qようやく、春の訪れを感じられるようになりましたが、それにしても、今年の冬は例年にも増して寒かったですね。
ゾウさんの寒さ対策として何か工夫をされていたんですか?

 何十年ぶりかの大寒波だったらしいですね。吹雪いている日が何日もあり、ゾウさんには厳しい冬だったと思います。
寒さに慣れてきているとはいえ、やはり、寒いのが得意な動物ではないので、管理の仕方を工夫してやらないといけません。
寒さをしのげるように、室内展示場をフリーにして遠赤外線にあたれるようにしたり、部屋には藁を敷き詰めたり、
お湯を飲ませたりして体が冷えないようにしてやっていました。
あと、毎年のことですが、耳があかぎれになってしまうので、何度もオリーブオイルを塗ってやりました。

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Q
リカお母さんがアフ君のお部屋を使い始めて四カ月が経ったと思うのですが、三頭は分離された状態で落ち着いてきたんでしょうか?


慣れてはきてくれています。覗き窓からしか子どもたちの様子を見ることができないですから、リカさんは横になることをせず
立ったまま寝ていることが多かったのですが、最近では、時々は横臥して寝てくれているようです。
慣れたとはいえ、やはり、窓越しでしか親子が会えない今の状況は、ゾウさん達にとって精神的に良くないのですが、
部屋の大きさや造りなどの点で親子同居は難しいですから、我慢してもらうしかないんです。
彼女たちの変化に注意を払いながら、今後は、媛ちゃんと砥愛ちゃんを同居させることも考えています。

今、私たち動物を飼育する側には、動物たちの福祉や倫理面から、彼女たちが快適に暮らせる環境で管理することが一番に求められてきています。
以前は、夜間に繋留をしていましたが、今は自由に動き回れるようにしています。
夜間も同居させて、ひとつのお部屋で姉妹が遊びながら長い夜を過ごしてもらう、そんな管理も必要なのかなと思っています。

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Q是非、そうしてあげてください。
昼間、運動場で砥愛ちゃんがお昼寝を始めると、リカお母さんと媛ちゃんがそーっと近づいてきて、砥愛ちゃんが目を覚ますまで、
日陰を作るように傍に寄り添う姿を何度も見ました。無防備で眠っている砥愛ちゃんのことが心配なんでしょう?
一緒にいる、小さいものを守る、これがゾウの家族の姿なんだと感動して見ているんです。

とべ動物園は、動物に優しい愛ある動物園であり続けていただきたいなあ。

ところで、昨年から、ゾウの訃報が続きましたよね。特に子ゾウ死亡のニュースはショックでした。
昨年八月には豊橋のマーラ(五歳)、十二月に市原のラージャ元気(一歳)、そして、一月には沖縄の琉美(二歳)
無事に生まれたからといって、育って当たり前じゃないんですね。
椎名キーパーがゾウさん達のお誕生日を迎えるたびに、しみじみと「無事に育ってくれてありがとう」と言われていた理由がわかりました。


年老いたゾウが亡くなることは仕方がないとしても、やはり子ゾウの死は、我々業界の人間としても、ショックは大きいですね。

今言われたように、アジアゾウに関しては、赤ちゃんが生まれてはいるのですが、無事に育っていないという現実があります。
アフリカゾウはここ十年余りの間に、とべ動物園の三頭以外生まれていません。
皆さんはテレビの映像とかで子ゾウの元気な姿を度々見る機会もあり、雄雌のペアがいたら子ゾウがいて当たり前のように思われがちですが、
野生においても、ましてや飼育下のゾウとなれば、子ゾウが生まれ元気に育ちきることは難しいことなんです。

それを踏まえて、今後どうしていくのか。
日本の動物園からゾウを消えさせてはいけない。可能性のあることはやらないよりはやったほうがいいということで、
色んな取り組みが進められています。

日本の動物園では、繁殖のためのゾウの移動を試みてきました。
最近では市原ぞうの国からアジアゾウのゆめ花が沖縄こどもの国にお嫁にいったことはご存知ですよね。

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動物園にいる子の中には雄であっても雄になりきれていない雄ゾウや、昔は発情していたんだけれど、
発情が止まってしまっている雌もいたりします。
交尾しても妊娠に至らないということです。
東北の仙台、秋田、盛岡の動物園にはそれぞれペアのアフリカゾウがいるのですが、なかなか子どもができない。
それで、環境を変えてみる、ペアを組みかえてみるということで、雌をそれぞれ移動させることが決まっています。
日本では、大きくなってしまった雄を他の園に移動させることは難しいですし、発情が止まってしまっていた雌でも
環境が変わることで、排卵が起こることもあるんです。

しかし、動かすことがうまくいくとも限らない。
三年ほど前、姫路の姫子を王子動物園に移動させたのですが、
パニックになって精神的に病んでしまい、一カ月程で姫路に帰したこともありました。

ゾウは大変デリケートな動物です。
あそこの動物園のひとりぼっちのゾウさんがかわいそうだから、どこそこの動物園に移動させたらとか、
ゾウを集めて一緒に飼えばいいんじゃないかとか、皆さんが思っているほど簡単なことではないんですよ。
何年も同じ場所から出たことがない動物園のゾウにとって、環境が変わることは大きなストレスになります。
他のゾウを一度も見たことがなく社会性が育ってないゾウにとっては、群れの中でどう暮らしていいのかわからなかったりする。
飼育員との社会性をもってしまった子は、飼育員が変わるだけで不安になったりするんです。
サファリで数頭で飼われていた子は成功しているけれど、動物園の子は厳しかったりします。
繁殖を成功させたいという我々の強い思いはありますが、色んなリスクを考えながら、
その子にとっての幸せも考えてやりながらのことになりますよね。

また、ヨーロッパやアメリカ、アジアでも、人工授精でゾウの赤ちゃんが誕生しています。
日本でも、人工授精も考慮してのゾウの訓練が必要になってくるでしょう。

そんな中、リカさんとアフ君の間には三頭の赤ちゃんが生まれ、うちの子たちは三頭とも無事に育ってきてくれています。
そのことに満足していてはいけない。
今後は、日本全体のために、何らかの形で寄与していかなければならないのかなと思っています。

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ただ、適齢期を迎えた媛ちゃんをお嫁に出せるかというと、彼女の生い立ちを考えると難しい。
今でも、ひとりになると常同行動が続いているし、環境を変えることはリスクが大き過ぎます。
リカさんと砥愛ちゃんの親子関係とはどう見ても違うことはおわかりでしょう?
ゾウ同士のコミュニケーションがうまくとれるのか、それも心配です。
じゃあ、お婿さんを迎えたらうまくいくのか、やってみないとわからないことですが、今の状態では、それも難しいでしょうね。

人見知りが激しく精神的にまだ弱い媛ちゃん、そしてまだまだ子どもの砥愛ちゃんに対して、私たち飼育員がよく見といてあげながら、
彼女達にとって何がベストなことなのか、将来を見据えながら、繁殖の可能性のあることは何でもやっていかなければならないとは思っています。
当然、人工授精ということも、視野に入れておかなければならないでしょうね。

今回も貴重なお話をありがとうございました。

(取材・文 山岡ヒロミ)



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# by taketoriouna | 2018-06-18 23:14 | アフリカゾウ家族 | Comments(0)

青い空と白い雲と水浴びするゾウさん

おおっ~! なんと絵になる光景かしら。。。
青い空と白い雲 水浴びするゾウさん  夏なつなつなつ ココ夏  ここはすでに夏ですなあ。

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気持ちいいね~! 真夏のような日差しが照り付け、暑いよね~ゾウさんもって思っていたら・・・
プールにお水を入れられない日は、ホースのシャワーで、熱く焼けた肌を冷やしてもらいます。


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特に媛ちゃんは大好きみたい。 痛ギモなのか? ゾウさんにとっては優しいシャワー程度なのか?


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きっと、気持ちいいんだろうなあ。。。
一向にこの場から離れようとしません。


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いいお顔してます。


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水も滴るいいゾウさん。


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梅雨の晴れ間  十二分にお日様を楽しんでね!


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# by taketoriouna | 2018-06-12 07:18 | アフリカゾウ家族 | Comments(0)

ゾウさんの向かうところに青い影あり。。。

あらあら!みんな~ どうしちゃったんですか? なんか、嬉しそうだねえ!

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植込みの中に椎名キーパー発見。。。
抜いた草、刈った枝をもらおうとアピールアピール。

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リカさん、美味しいですか~? 子どもみたいな表情ですねえ。

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その後も、椎名キーパーと共に、場所を移動。

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お蔭で、いい表情の写真がいっぱい撮れました(*^^)v

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リカさんのアピールが凄かった。

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「こっちですぅ!」 ほとんどリカさんのお口に・・・

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「おかあちゃま 砥愛たんにもちょーだいよぉ!」


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「おチビちゃん!いくよ~」
草が宙を舞う。。。

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「お姉ちゃんも、おじちゃんにアピールしたら?('◇')ゞ」


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# by taketoriouna | 2018-06-07 08:52 | アフリカゾウ家族 | Comments(0)

アフ君に捧ぐ

動物園に何百といる命は毎月何頭か、その命が消えていっている。
昨日まで元気だった子が・・・  ・・・
この世に生を受けたばかりの子が・・・
知らないだけで今この時もどこかで命が消えていっている。

いのちの時間はいつかは終わる。

沖縄こどもの国の仔ゾウ琉美ちゃんのように、あまりにも短い子もいれば、井の頭のはな子さんのように長生きしてくれる子もいる。
飼育員さんは、朝出勤して獣舎の扉を開け元気な姿を見て、ホッとするって言っておられた。

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アフ君が亡くなったと知ったのは、会員さんからの電話だった! あまりにも突然すぎる命の終わりだった。
「知ってますか?アフ君が亡くなったって夕方のニュースで言ってます。」
私は電話を握り締め崩れ落ちた。「なんで?そんなの嘘よ! なんで、そんなことが・・・」
オオカミの遠吠えかというくらいウォーイオイ泣き叫んでいた。

しばらくして電話が鳴り、動物園の園長さんからだった。
『すでに知っているとは思うが、アフが逝ってしまった。あんなにも応援してくれていたのに、助けることができなくて・・・
守ることができなくて・・・  申し訳ない。』
そのようなことを、私におっしゃった。
あの日からもう2年の時が過ぎ、
やっと、アフ君のことを絵本にすることができた。


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井の頭のはな子さんに比べたら、アフ君はいのちの時間が短いゾウだった。
いのちの時間 その子のいのちの時間がどれくらいあるのかなんてわからない。
自分に与えられたいのちの時間だってあとどのくらいあるのかなんてわからない。


アフ君の死を通して伝えたいことを・・・
残された家族のことを・・・
アフ君の命の軌跡を・・・
皆さんに知って欲しいアフリカゾウのことを・・・


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子どもにも読んで欲しい絵本だから、最小限の文の中で、精一杯の思いを伝えたつもり。

何度も何度も書き換え、今回はイラストも何度も何度も描き換えて、やっとこさ最終校正が終わり、印刷製本に取り掛かってもらっている。
佐川印刷の担当者の方々には無理をいっぱいきいてもらったり、細かい訂正を加えてもらったり、本当にお世話になった。ありがとうございました。
社長(同級生)も何度も社に出向き話をしている私を見かけるたびに声をかけてくれ、ありがとうね!佐川くん。

イラストを描くのに写真を提供してもらった矢野さんと中岡さんにも本当に感謝です。ありがとうございました。
文章を添削してくれたN先生、いつもありがとう。

いよいよ出来上がる。
6月1日発売 砥愛ちゃんの5歳のお誕生日だ。

おうなさんは、この裏表紙の感じが大好きなんだけど。。。
Ⅰがリカお母さんと砥夢君、Ⅱが砥愛ちゃん、Ⅲが媛ちゃんと砥夢くん、そしてⅣは当然アフお父さんだ。


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アフ君!あなたのことを・・・  
短いゾウ生だったけど、精一杯生き抜いたあなたのことを・・・
優しかったゾウのお父さんのことを・・・ 
そして、深い絆で結ばれたあなたの家族を描いた絵本がもうすぐ出来上がります。







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# by taketoriouna | 2018-05-27 23:25 | おうなの日記 | Comments(0)

総勢143名の竹取物語

「どうぶつえんでえほん」のイベントでお世話になっている「おはなし屋えっちゃん」から、おはなしCafé5周年記念イベントで
竹取物語に参加したいとお話を頂いたのは3月。
「けっこうな人数になると思うけど・・・」
「だいじょうぶよ!」
まさかまさか100人越えになることを誰が予想したでしょうか(^-^;

えっちゃん!凄すぎです。 134名 途中で申込みを締め切ったくらい。。。

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「どーにかなるっしょ!今まで、いつもどーにかなってきたし・・・('◇')ゞ」
おうなさんの口癖に、竹取指導員さんもスタッフも大丈夫なん?と不安顔。

134名か~! 子どもが半分の67名、その内訳は小中学生8名、園児34名、2歳以下25名。この子たちみんなに楽しんでもらえることができるかしら。。。
時間どおりに進むかしら。。。
竹葉をいつもどおり持って行くことができるかしら。。。
  (椎名キーパーはお優しいから、少なくてもいいですよって言ってくださったが、おうなさんの性格が・・)
とにかく、ケガだけはないように!

いざとなったら、頼りになるかぐや媛のスタッフ
「班分けしましょ!」「鋸は番号つけて、大人と中学生だけに!」「エサやりは半分づつ、待ってるグループには〇×クイズ」
準備万端、完璧じゃ~

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楽しかっただけで終わらせてはいけない。竹取物語の趣旨、ゾウさんのことだけは、ちゃんと伝えなきゃ!

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ゾウさんのために竹取がんばるゾぅ~
小っちゃい子たちは即戦力にならないよなあって思っていたんだけど。
なんのなんの、子どもたちは侮れません。 やるな~!

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初めての体験に、子どもたちは楽しそう(*^^)

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お父さんと一緒で嬉しそう

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あっという間に90キロ近い竹の葉を集め終わり、指導員さんのマジックショー。
なんと!竹に切り込みを入れると、あふれ出す水。
子どもたちから「うわっ~!」という歓声

竹水(ちくすい) かの有名なかぐや姫も飲んだ??と言われてもいる。 神秘の水?
かぐや媛のおうなさんも初めて見た!
指導員さんも、節の間全部から、こんなに大量の水が出る竹に出会ったのは初めてだったんだって!
オジちゃん、ひとりで飲み過ぎです。


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時間ですよ。動物園に向かいます。


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待ってくれていたのは椎名キーパーと濱田キーパー

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ゾウさんのお話を聞いて、さあ!ふれあい体験です。
A班B班はパドックに、C班D班はその間、〇×クイズ。

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こちらも盛り上がっていましたねえ。。

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ゾウさんをバックに記念写真を撮って、竹取物語終了。 

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スケジュールどおり12時に解散
ほら!どーにかなったじゃん(*^^)v 
いやいや、えっちゃんところのスタッフさん、うちの手慣れたスタッフのお蔭で、どーにかなったんです。ありがとうございました。
ケガもなく、みんな笑顔で終われたから良かったねえ。 みんな~!また来てね♡


おまけ。。。 食べられそうになったグリちゃん。いやいや、間違った! ゾウさんに初めて会ったえっちゃんの相棒、腹話術人形のグリオくん。

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# by taketoriouna | 2018-05-22 09:29 | かぐや媛 | Comments(0)